全国の都道府県で活躍する広告会社を会員に、日本最大の広告会社ネットワークをもつ一般社団法人日本地域広告会社協会(略称:JLAA、所在地:東京都港区新橋2-16-1、理事長:吉田大助・株式会社ビザビ代表取締役社長、会員数:58社)は4月7日、第9回「JLAA地方創生アワード」の最優秀賞4事業、優秀賞2事業を決定しました。
当協会は地方で実施される地方活性化につながる優秀な事業を表彰し、社会全体で広く共有していくことを目的に、2016年に「JLAA地方創生アワード」を創設しました。全国の当協会会員社が、それぞれの地域で地方行政機関などから受託した事業を対象に選考し、毎年表彰しています。9回目となる今回は、2024年1月から12月までの1年間で、会員社が実施した地方自治体の事業から13件がエントリー。厳正な審査の結果、コロナ禍に日本全国で大規模に展開された誘客多角化促進、観光コンテンツの磨き上げ、持続可能な観光などの動きに端を発している事業およびビジネスの潮流に沿った事業が選ばれました。受賞事業は以下のとおりです。
当協会は地方で実施される地方活性化につながる優秀な事業を表彰し、社会全体で広く共有していくことを目的に、2016年に「JLAA地方創生アワード」を創設しました。全国の当協会会員社が、それぞれの地域で地方行政機関などから受託した事業を対象に選考し、毎年表彰しています。9回目となる今回は、2024年1月から12月までの1年間で、会員社が実施した地方自治体の事業から13件がエントリー。厳正な審査の結果、コロナ禍に日本全国で大規模に展開された誘客多角化促進、観光コンテンツの磨き上げ、持続可能な観光などの動きに端を発している事業およびビジネスの潮流に沿った事業が選ばれました。受賞事業は以下のとおりです。
最優秀賞
*賞ごとに北から
総評
第9回となる「JLAA地方創生アワード」は、地域の観光コンテンツをブラッシュアップさせるための事業と、ビジネス環境の流れを汲んだ交流人口や地域経済の活性化に資する事業が受賞しました。観光コンテンツの磨き上げ事業は、コロナ禍を契機に日本全国で始まった観光産業の潮流の1つですが、その流れの中で、地方自治体等が大きなうねりを起こしてきていることが伺えます。コロナ禍によって急激に進んだ社会インフラであるオンラインの動きが、人口が集中する首都圏以外の地域の可能性を拡大してきています。そんな潮流の中で、全国の地方自治体に対して、きわめて具体的なプログラムとして見本となる事業が受賞したと思います。
第9回「JLAA地方創生アワード」 の概要
名称 | 第9回「JLAA地方創生アワード」 |
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エントリー期間 | 2025年1月20日~2月17日 |
対象事業 | JLAAの会員社が地方創生の分野で関わった、地方自治体および関連団体が主管する事業で、2024年1月から12月までに実施されたもの。 |
選定方法 | JLAAの理事で構成される審査委員会の委員が「企画性、計画性、波及効果、有効性、地方創生力」の5項目を採点し、合計点によって上位より各賞を決定しました。 |
審査委員 | JLAA理事(9人) |
最優秀賞
- 北海道千歳市
- 千歳市まちなか地域イノベーション創出業務
受託JLAA会員社:株式会社インサイト(北海道 正会員) - 北海道千歳市の「まちの顔エリア」が目指すべき将来像、ちとせ未来ビジョンの実現に向け、エリアマネジメント団体の活動を担う人材の発掘を、ビジネスアイデアコンテストを開催して推進。アイデアをアイデアのまま終わらせないように、さまざまな分野の専門家をメンターとして配置し、さらには地域の大学までを巻き込む形で、多くのエントリーの獲得につなげている。また、千歳市だけでなく、札幌など近郊からも応募者を募ったことで、単なる市内のプロジェクトではなく、大きな広がりを作っていくことができた。中心市街地の活性化も人材発掘も、日本全国の地方が抱える課題。関係者がワクワクしながら10カ月のプロジェクトが進んで行ったことが伝わってくる事業で、学ぶべき点が多くある。
- ■審査委員コメントからの一部抜粋
- 大学を巻き込み、若者からもアイデアを集めている。
- 企画性や波及効果的にも地方創生につながる事業であると感じた。
- 町おこしから人材発掘への展開は地方の模範になる事業だと感じました。
- メンター制度を取り入れることで参加者のスキルアップを図り、人材育成につながっている。
- ■受賞者コメント
-
このたびは、第9回JLAA地方創生アワードの最優秀賞に選出いただきありがとうございます。本事業は、中心市街地の活性化を目指すため、「人」に着目し、まちづくりとビジネスの両面に長けた担い手を発掘することを目的として、受託事業者である株式会社インサイト様とともに企画させていただきました。
本事業を通じて、多くの担い手の発掘ができたほか、まちづくりに関心のある方の育成にもつなげることができました。今後は、担い手の皆さんとともに、中心市街地の価値を高める各種取組を進めてまいりたいと考えております。
左 千歳市産業振興部商業労働課 課長 辻 誠
右 千歳市産業振興部商業労働課主査
(エリアマネジメント推進担当) 主査 二階堂 真弥
- 茨城県
- シン・いばらきメシ総選挙2024開催準備業務委託
受託JLAA会員社:(株)日宣メディックス(茨城県 正会員) - すべての都道府県、市町村がしのぎを削らなければならない「食」という観光資源のプロモーションを、茨城県内の全市町村を巻き込んで賑わいを創出し、参加者のモチベーションづくりから仕掛け、かつ、綿密な計画、準備と、丁寧な業務の進行によって、三日間で64,000人の来場者を呼び込んだ素晴らしい事業。年度内に追加開催されたことからもその反響が伺える。ただの食イベントでなく、「競争」が組み込まれていたことで、恐らく、参加した80の店舗も事前の情報発信競争を行っていたのだろうと推察。さらに、茨城県内最大の食イベントで、かつ、ペーパーレス化やごみゼロなど、新たな価値を創出。楽しく競うことを軸にしたことから生まれてきた全関係者のモチベーションが大きなうねりになっていったことを示している。
- ■審査委員コメントからの一部抜粋
- 食イベントにおいて最も重要な「安全」に配慮した来場者の満足度の高いイベントだ。
- 規模も大きいし、参加した自治体の数も素晴らしい。東京に負けない気持ちが素晴らしいし、見習うべき姿。
- グルメ投票はよくある企画ですが、SDG’sを意識したペーパーレスやごみの分別など良い取り組みだと思います。
- ■受賞者コメント
-
この度は、地方創生アワード・最優秀賞をいただき、大変うれしく思います。
県内の全44市町村が創ったグルメが競うといった初めてのチャレンジでしたが、
約6万4千人もの方々にお越しいただき、メディアにも大きく取り上げられるなど、
県内外から大変注目されるイベントとして開催することが出来ました。
このシン・いばらきメシ総選挙のグランプリグルメを中心に、茨城県を代表する
新しいご当地メシとなるよう取り組んでまいります。
- 瀬戸内市観光協会
- 観光庁特別体験事業 SAMURAI文化の真髄に触れるプレミアムツアー
受託JLAA会員社:株式会社ビザビ(岡山県 正会員) - 外国人にも知られていて、日本全国にゆかりの地がある「刀」や「SAMURAI」というワードですが、これだけでは地域経済に貢献する観光コンテンツとしては不十分という現状の中、知られているこれらのキーワードをフックに、閉館後の博物館の特別開放や、名刀太鼓のウェルカム演奏、古式鍛錬の実演、刀剣試し切り体験など、さまざまな地域のコンテンツをブラッシュアップして組み合わせ、外国の方が、日本の文化の深さや魅力を思う存体感できる観光コンテンツになっていて素晴らしい。外国人が多くいる岡山市内のコンテンツを有効的に使っており、観光導線を正確にとらえている。岡山県内の従来のアジア圏中心のインバウンド誘致とは異なる市場開拓につながっている。
- ■審査委員コメントからの一部抜粋
- 瀬戸内地域のさまざまな文化を、SAMURAI文化という縦軸で見事にまとめた事業です。
- 食と文化を合わせた企画はよくあると思いますが、地域の特性を把握し複数市での取り組みは良いと思います。
- コンテンツの厚みや深掘り感、アイデア性、デザイン性など、ストーリーの枠組みの設計が見事に織り込まれた企画。
- ■受賞者コメント
-
この度は、最優秀賞に選出いただきありがとうございます。
岡山県南東部に位置する瀬戸内市では、文化観光推進法に基づき、備前長船刀剣博物館を拠点とした
「日本刀の聖地」拠点計画が、令和3年5月に認定を受けました。
今後も様々な取組を通じて刀剣文化の魅力を内外に発信してまいりたいと思います。
写真左から
一般社団法人 瀬戸内市観光協会
事務局長 林 孝康
監事 川島ゆか
代表理事 永田昭二
業務執行理事 宮本 靖夫
- 愛媛県伊方町観光商工課
- 「佐田岬体験博」事業
受託JLAA会員社:株式会社エス・ピー・シー(愛媛県・正会員) - モノ消費からコト消費に観光が変わっていく中で、地形的に珍しい日本一細長い半島として知られる佐田岬半島での「体験観光」プログラム開発事業。伊方町としては初めての取り組みで、経済産業省資源エネルギー庁「地域のちからプロジェクト」事業として、「わざわざ行きたい」「いつでも楽しい」伊方町を目標に、「海遊び」「野遊び」「グルメ」「暮らし・文化」に4つのカテゴリーに分類し、地域の方との丁寧な打合せを通じて、30件の体験コンテンツを一緒に作り上げた。2カ月強で240名が参加。地域の小規模事業者が持つユニークな観光の原石を新しい視点で磨きあげ、持続可能な観光商品に仕上げている点が優秀。
- ■審査委員コメントからの一部抜粋
- コト提案は良いと思います。
- 町内事業者との協働を重視し、地域の小規模事業者が持つ独自のリソースを最大限活用した点が良かったです。
- 企画力、町との協働性、戦略、デザインと総合的なクオリティが非常に優れている。町の規模感のクオリティを超えていました。
- ■受賞者コメント
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この度は、第9回JLAA地方創生アワード最優秀賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。
「SADAMISAKI体験博」は、佐田岬半島の自然、文化、食をテーマにした伊方町ならではの体験博覧会で、令和6年度はプレ版として実施しました。令和7年度も引き続き実施予定ですので、今回の受賞を励みに、伊方町の観光誘客及び地域内の回遊の促進を図りリピーター獲得に努めてまいります。
写真左から
伊方町
観光商工課観光商工係主事 山口 翔太郎
観光商工課観光商工係主事 井上 葉由季
観光商工課長 田所 孝之
町長 高門 清彦
観光商工課長補佐 井櫻 知美
観光商工課観光商工係係長 中田 千春
優秀賞
- 北海道
- 令和6年度北海道型ワーケーション推進事業
受託JLAA会員社:株式会社インサイト(北海道 正会員) - コロナ禍に必要に迫られて急激に広まったワーケーションですが、仕事を本社と離れたエリアで行うためには、地方にとって、単なる交流人口増加策として捉えるだけでは足りず、企業ごとにそして働く人ごとにさまざまな課題を克服していかなければならない。その現状に対して、真正面から、首都圏の潜在需要層である企業と北海道の地域とをマッチングさせることで、具体的な課題解決に踏み出している点が素晴らしい。情報を発信したい北海道側の視点でなく、潜在需要層である企業側の悩みや課題を引き出し、共感を得ながら、オーダーメイドの北海道型ワーケーションを訴求している。
- ■審査委員コメントからの一部抜粋
- 企業ごと、自治体ごとに異なるワーケーションに対する需要を、オーダーメイド型で解決した事例。
- 発信者側の目線ではなく、ターゲットの「悩み」に寄り添い、共感を得ました。
- 一つひとつの企画に対応する総合力が高く、計画から実施において街や企業を巻き込んでいて素晴らしい。
- 栃木県
- 栃木県武道ツーリズムモニターツアー業務
受託JLAA会員社:クロスボーダー株式会社(東京都 正会員) - 栃木県内の武道に関する競技力、高い普及状況、豊富な施設や歴史的・文化的資源を生かし、武道を「学ぶ」ことを通じて、外国の方に日本の歴史や文化などを知っていただく機会を提供する武道ツーリズムを確立することを目的として、栃木県弓道連盟の協力を得て在日外国人によるモニターツアーを実施。栃木県で弓道体験を行うことの価値を明確にするために「武士のはじまり」と伝わる藤原秀郷に関して高名な歴史学者である小和田哲男氏のセミナーを実施した。英字メディア(BUDO JAPAN.COMとgaho JAPAN)の体験記事は外国人が多用するFacebookを使って世界中に拡散し、4.54%という高いエンゲージメント率につなげている。
- ■審査委員コメントからの一部抜粋
- 弓道体験に藤原秀郷というストーリー性を持たせ価値観を高めた。
- 普及啓発を行いながら、武道そのものの価値向上や保存、継承、発展へつなげていくための活動が素晴らしい。
- 弓道を栃木県で体験する価値を高める工夫。SNSの活用手法が素晴らしい。